志ーこころー 【前編】─完─






女将さん「あんさん、もーちっとおなごとしての自覚もたなあかんでぇ?



……ってまぁ〜髪の毛もこない綺麗な髪の毛しとんとにもったいなぁーい。」



突然の懐かしい記憶に、あたしは一瞬我を忘れて立ち尽くしていたけれど、女将さんの言葉で我に返った。





女将さんはあたしの髪の毛をサラサラと触る。



女将さん「沖田はん!」




……かと思いきや、いきなり大声で沖田の名前を呼ぶ……と言うより叫んだ




沖田「……はい???!」



沖田、びっくりしすぎて返事するタイミングおかしくなっちゃったし。裏返ってるし

あたしをがしっと掴んで、


女将さん「沖田はん!


この子はちゃーんとした格好させるべきです!
……あんな男だらけのむさ苦しい所に置いとくのは不憫どす!


この子、あたしが面倒見てもよろしおすやろ??!!!!」







お、おぉ……



なんて剣幕なんだ……



沖田「だ、だめですよ!!!志乃さんは私達浪士組にとって、大きな存在なんですから!!」





つい最近まで疑われていたあたし。




だけど、そんなあたしのことを必要だと言ってくれる仲間がいる。





なんか……



嬉しいもんだな。




女将さん「いいえ!!!


あたしが許しまへんで!


こんな小さな子を、あんな危険なところに置いておけません。」




女将さんは、あたしを愛おしそうに。



けれども悲しそうに見つめている。




そんな女将さんの表情に、あたしは無意識のうちにおばさんと重ねて見てしまう。





必死になって沖田を説き伏せる女将さん







なぜにそこまでして、あたしに構うのか。