門をくぐると、そこは意外にも質素な造りの学舎が広がっていた。 「緒方先生はいらっしゃらんかぁ〜??」 坂本さんが、大声で呼ぶ。 中岡は、そんな坂本さんを軽く一瞥すると、きょろきょろと周りを伺った。 ああ、ほんと、この人と一緒にいると、中岡はおかんになるのね。 一時も目を離せないっていうか、世話が焼けるっていうのか。 それが坂本さんの良いところでもあるんだけどね。 あたしもつられてきょろきょろと様子を覗う。 人は誰もおらず、質素な造りのせいか、まるで空家のような静けさをまとっている。