梢さんはそれ以上何もいう事はなく、あたしを横目で見ると、部屋から出ていった あたしは手ぬぐいを思いっきり掴んだ 白い手の甲から骨が浮き出ている あたしはそれを見つめると、手ぬぐいをきっちりと端と端をそろえてたたみ、ギュッと絞った まるで、もう戻れない時をつかみ取り直すかのように