これから何をしようかと考えていると、襖の向こうから青葉を呼ぶ声が聞こえた。

「はい?」

青葉が襖を開けると沖田がいた。

「近藤さん、急な仕事があって忙しいから僕が屯所の案内をすることになったんだ。今から行ける?」

「はい」

そして青葉は沖田に屯所の案内をしてもらった。

前川邸という所なのだが、とても広かった。

「これで大体全部だよ。拷問部屋も見る?」

沖田が含みのあるようなないような顔で笑う。

「いえ、結構です」

この男は何を考えているのか分からない。

「そう、じゃあ僕はこれで。夕餉のときは誰かが呼びに行くから部屋で待ってて」

そして去っていった。

そして青葉もその背中に一礼し、自分の部屋に戻ったのだった。