まぁ、何か困る訳でもないのだが。

「行く勇気が、ないのです」

行ってしまったら、栄助の死を実感してしまう。

本当にこの世から消えてしまったのだと、完全に理解してしまうのが嫌なのだ。

自分で理解しているつもりだが、どこかで信じ切れていないのだと思う。

襖を開け、沖田を外に出す。

「「あ!」」

すると二つの声が聞こえた。

「永倉様、原田様?斎藤様も」

「「すまねぇ!」」

青葉が声をかけると、永倉と原田が一斉に謝ってきた。