栄助は青葉を放すと、また青葉の頭を撫でた。 『笑ってくれて、ありがとう』 そう言うと、今度こそ本当に、遠ざかって行った。 次会ったときは、涙を流さずに笑顔にならなくては、と青葉は思ったのだった。 この時が、青葉が栄助を見る最後だったとは知らずに________。