「初、お目にかかります、城崎青葉(きざきあおば)と申します。精進していきますので、どうぞ宜しくお願い致します」

そう挨拶するのは、昨夜の女だった。

「俺は、新選組局長の近藤勇だ。そしてこっちが副長の土方歳三。その隣が...」

と、近藤が隊士を紹介していく。

「とまぁ、こんなところだな。今は幹部しかいないが隊士はもっといるから、宜しくな」

「はい」

青葉は頷いた。

「今日は屯所を案内するから、女中としての仕事は明日から頼む。総司、部屋に案内してやりなさい」

「は~い」

総司と呼ばれた男が立ち上がる。

すぐに青葉も立ち上がった。

「失礼致しました」

そして美しい動作で部屋を出て行ったのだった。