散る頃に咲く花


「と、とりあえず、誰か袋かなんか持ってこい!」

永倉の怒鳴り声に原田が袋を取りに屯所へ駆け込む。

皆が騒然としているなか、青葉は一歩も動けないでいた。

そして袋に蛙が詰め込まれるのを、どこか遠くの出来事のように見ていた。

どうしてこんなことに。

すると、一匹の蛙が袋に入り損ねてしまった。

それは青葉の方へやってくる。

「きゃあ!い、嫌や!こっち来ねんで!うちに近付かんで!」

「え?」

その場にいた全員が動きを止めた。