散る頃に咲く花


沖田は  

「いいえ」

と言った。

「では誰なんだい?」

松本の驚いたような声が聞こえてくる。

近藤様以外の誰か?

青葉も驚いた。

「それは、部屋の外にいる青葉ちゃんに聞かれちゃうから言いません」

ば、ばれてる!?

「城崎さんがいるのか?」

松本の立った音が聞こえる。

そして襖が開いた。

「申し訳ありません」

青葉は土下座していた。

「近藤様に、江戸へ帰るということを聞き、沖田様が心配になって来てみたら松本様がおられたので」

青葉は頭を下げたまま言った。