「労咳は死病と言われている。しかし、療養すれば進行を遅めることができるし、無理をすれば進行は早まる」
沖田は何も言わない。
「江戸に帰っても、無理だけはするんじゃないぞ」
そこで沖田は初めて口を開いた。
「それはどうでしょうね。僕は、近藤さんのために、新選組のために戦いたい」
沖田の言葉に松本は小さく溜め息をついた。
「私はもう何も言わないよ。だが、医師としては、君に生きていてほしい。ずっと」
「でも僕、守りたい人ができたんです。だから、生きていたいと、少しだけ思うようになったんです」
「近藤さんかい?」
松本は問う。


