散る頃に咲く花


「沖田様っ!ちゃんと寝てください!」

青葉の口癖はこれだった。

「ちょっと身体動かしてるだけじゃん」

「竹刀を振りながら何言ってるんですか?」

沖田が体調の良い日は、青葉の目を盗んで刀の訓練をしてしまうのだ。

「だって、戦に戻ったとき役にたたなかったら何のために僕はいるの?」 

そう聞かれると答えようがなくなってしまう。

沖田は戦いに戻るために療養しているのだから。

「ごめんね。でも、無理はしないから安心して」

黙り込んでしまった青葉に悪いと思ったのか沖田は謝ってきた。

「いえ、私もしつこく言い過ぎました。けど、お願いですから無理はしないでくださいね?」

青葉もそう言った。

沖田様には、少しでも長生きしてほしいもの。

それが青葉の本心だった。