散る頃に咲く花


「本物の笑顔じゃないってどういう事だよ。総司」

「そのまんまだよ」

その人は沖田だった。

意味が分からないといった顔の藤堂に沖田は言う。

「そっか、平助は青葉ちゃんの過去を知らないんだよね」

「青葉の、過去?」

藤堂が口を傾げる。

「沖田様、それは」

青葉も口を挟んだ。

「いいじゃない。新八さんも、左之さんも、一君も知ってるんだもの」

「俺だけ、知らないのかよ?」

藤堂が不満顔になる。

「あの、藤堂様。前に沖田様に話している所を丁度聞かれてしまっただけです」