「僕は、弱いんだ」 沖田は青葉を抱き締めたまま呟く。 「山南さんに、まだ会いたいと思ってしまう。いないって、頭では分かってるのに、心がついていかない。いや、ついて来させないようにしてるのかな」 沖田は自嘲した。 「沖田様……」 青葉は抵抗するのをやめた。 沖田が、何かにすがりつくように青葉を抱き締めているからだ。 何か、足りない物を必死で探すように。 その時沖田は言った。 「まだ気づいてくれないの?」