「山南さん!」 土方は手を握り締めた。 「山南さん。あんた一体、どうしちまったんだ?」 土方の呟きは、山南に届くことはなく、寒い夜の闇に溶けた。 その時、 ぱちっ。 青葉は土方と目が合ってしまった。 「申し訳ありません!聞くつもりはなかったのですが」 青葉は慌てて頭を下げた。 「いや、隠す必要もねぇし、大丈夫だ」 土方は気まずそうに言う。 「……山南さんはな、新選組に必要な人間なんだよ」 土方は空を見上げ、呟いた。