遊女。

島原などで、男の人を癒やす女。

ということは、相手の女は、山南以外の男とも……。

青葉がそんな事を考えていると、

「私が一方的にそう思っているだけなんでしょう。きっと」

山南がそう呟き、また本を探し始めた。

そんな山南を見て、青葉は胸が痛んだ。

その後山南は数冊の本を借り、自分の部屋へ戻っていった。

青葉はそんな山南の背中を見つめていた。

その時だ、いつもの声が聞こえたのは。

「山南さんの事、好きなの?」