「ねぇ、麗奈ー」
「何ー?藍」


ここは巳沢学園
そして今はみんな大好きお昼休み


私、宝城麗奈(16)は、親友の巳沢藍(16)と共にお昼ご飯をたべていた



「本当にいいの?家の皆は麗奈が増えても気にしないよ?」

「私が気にするんだよ、養子にまでしてもらったのにそこまで甘えられないって」

「だからって、一人じゃあ淋しいんじゃない」

「まぁ、淋しくないわけじゃないけど、でも今は藍がいてくれるじゃん?前よりマシだよ」

「でも、、、」

「いいの、気にしないで」





藍はこの学園の理事長の娘、そして私は、その理事長の養子

ちょうど一年前の中3の夏、両親が事故でなくなったとき、養子にしてくれたのだ

それから、この学園に入って寮生活をしている

家にこないかとも言われたけど、さすがになぁと思ってやめたのだ






―ガヤガヤ

「なんか騒がしいね?」
「ホントだ、どうしたんだろ?」


――ねぇ、石崎様が来てるって本当?!

――本当らしいよ!ね!一緒に見に行こ!

――行く行く!


「石崎様、、、?って誰?」

「えぇ?!麗奈知らないの?!」
「え?藍は知ってるの?」
「知ってるも何も、石崎様っていったら超美形で有名な一個上の先輩だよ!」
「へぇー、そうなんだぁ」

興味なさげに返す麗奈
その様子に藍は少々呆れていた

―――まったく、、、興味なさすぎじゃない?


高校生といえば青春真っ盛りで、恋も真っ盛りの時期のはず
しかし、このムスメはモテるにも関わらず今まで恋をしたことがないのだ
故に、中学時代は難攻不落でとても有名だった


しかも、自分がモテていることに気付かないとんでもない鈍感少女なのだ



「はぁ、、、」
「どうしたの?藍、溜め息つくと幸せにげちゃうよ?」

あんたのせいよ、とは言えずまた溜め息をつくのだった

「はぁ、、、」