「ねぇ佑星ー?」
「なに。」

桜の花びらが舞う中、大きな校舎を2人並んで見つめる。

「うちらって、もう高校生なんだね。」
「あっそ。」
「イケメン彼氏とか欲しいなーあ…。」
「極太には無理だろ。」
「……。」

冷たく、ハッキリ“無理”と言われて、言い返す言葉が見つからなくて、思わず無言になる。
しかもコイツ、また私のこと『極太』って言った…。

「ぶハッ!!(笑)」
ふてくされた私を見て、吹き出して笑う。
コイツ、本当ドSだ。
私が怒ったり悲しんだりすると、いつもすごく嬉しそうに笑ってる。
幼稚園の頃から、全然変わってない笑顔。

だけど、今日の佑星は、なんとなく大人っぽく見える。
何でだろ。高校の制服着てるからかな?