ケンカ友達

キーンコーン カーンコーン…

校舎内に鳴り響く、チャイムの音。
チャイムの音と同時に、数学の参考書を持った若い男の先生が教室に入ってくる。


授業が始まっても、全然集中できなくて。
先生の話なんて、何も頭に入ってこなくて。
いつもの数学の授業中は、「早く終わらないかなぁ」って、そんなことばかり考えてるけど、そんなこと考える隙間も、今日は私の頭の中にはない。

佑星のことばかりが、頭に浮かんでくる。

時計の長い針が1秒ごと進んでいくと同時に、不安は増えていく。


なんなの、佑星。
誰に告白されたのかな、返事はどうするのかな。
それも気になるけど、でもそれ以上に、どうして亜美に話して私には話さないのかが気になる。

私って、佑星に信頼されてないのかな。