ケンカ友達

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次の日。

なんだか今日は、ちょっとだけ心が軽いような気がする。
モヤモヤしてたものが、減ったってゆーか。
昨日、佑星に恋してるって、認めたからかな。最近、ずっと考えてたから。


時計を見ると、授業が始まる5分前になっていた。
机の上に教科書やノート、ペンケースを準備する。
今日は朝から数学とゆー、数学が苦手な私にとってはとても嫌な1日の始まり方。
本当、何で数学なんて勉強するんだろ。
何で意味わかんない公式覚えなきゃいけないんだろ。
因数分解とか、大人になってから使うことってあるのかな。


「みーれんっ♪」

突然後ろから、高い声で名前を呼ばれてビックリする。
後ろを振り向くと、同じクラスの亜美がニコニコしながら立っていた。

亜美とは中学からの付き合いで。
中学3年間、同じクラスだった。
身長も高くて、とにかく美脚で、モデルみたいにスタイルよくて。本当、とにかく恐ろしい程の美脚の持ち主。
女子はみんな亜美の美脚に憧れてた。

私、中学の頃は吹奏楽部で。(ちなみに楽器はフルート吹いてました♪)
亜美も同じ吹奏楽部だったんだけど、ぶっちゃけ亜美はとにかく男好きで、部活中も外走ってる運動部の男子達にベランダから声かけまくって練習サボってることよくあって。

中学の頃から私の中での亜美の印象は、正直あまり良くはないかも。

高校入ってからは、私は帰宅部で亜美は軽音部で。特に接点もなく、あまり話さなくなった。
だから、声かけてくるなんてちょっと珍しいかも。

「なにー??」
返事すると、突然亜美は私に顔を近づけてきた。
な、何!? 私の顔、何かついてるのかな!?
「水恋ってさ、佑星に告った??」

ガタンッ!!
亜美の質問にビックリして、思わず大きな音をたてながら勢いよく席から立ち上がってしまった。

隣の席で静かに予習をしていた玲奈は、すごくビックリした顔で私を見る。
(玲奈ゴメンっ!!)