そして次の日____________。
「……………………おい、遠藤。お前……放課後数学準備室へ来い。何の話かは分かっているよな?」
「…………へ?」
「絶対だぞ」
ポカーンとしてしまった私をよそに、すたすたと歩いて行ってしまった先生。
自然と私は横にいる夏穂を見た。
「………夏穂?」
でもなぜか、夏穂の顔はひどく青ざめている。
「………み、美海……。なんかほんっとうにあたしのせいでごめん」
がくんと肩を落として私に謝ってきた。
「……何が?」
今は別館にある理科教室への移動中だ。
たまたま先生とすれ違った時に、引き留められ先ほどの話をされた。
「…………先生めちゃくちゃ怒ってるんだよぉ…」
脱力して何とも情けない声を出す夏穂。
「…………だから、何に?」
でも先生に怒られるようなことは見当たらない。
……私が先生を怒らせた覚えはかなりあるけれど、それに夏穂はほとんど関与していないからだ。
「………合コン。見つかったのが先生じゃなかったら停学だったしぃ……」
「………え?合コン?なんで先生が関係してるの?停学って?」
ちなみに、今日朝学校に来ると夏穂は机の上に突っ伏して何かに萎えていたけど、私を見た途端一斗についての事情聴取が始まった。
それには詳しくは語らず、ただ姉の彼氏で元家庭教師だったとだけ答えておいた。
そういえば何で一斗が合コンなんてものに来たのかは、私も知らない。
「…………あれ?美海、先生と会ったんでしょ?美海が出ていった後に、お店に先生が入ってきてありえないほど怒られた」
……………全く覚えていないんだけど。
「……つまり先生に合コンのこととお酒飲んだことがばれたってこと!?」
私がこの結論にたどり着き、思わず声をあげてしまうとコクコクと頷く夏穂。
……………それは、かなりやばくないですか?
どーんと、目の前が真っ暗になった気がした。
「………まぁ今回だけは見逃してくれるらしいけどさぁー。もうしばらくは合コンなんて絶対に行かない」
それから夏穂は合コンの魅力について語りだしたが、私は本当にお先真っ暗だ。
………ど、どうしよう。
めちゃくちゃ怒られそう。
まだ三時間目なのに、すでに放課後のことを考えると胃が痛む気がした。
あー、最悪。
先生に見られてるなんて。
………………まさか一斗といたところを?
でもまぁ一斗を保護者にしといて言い訳を考えれば何とかなるかな、とこの時の私は一斗と一緒にいたことを軽く捉えていた。
後でこれがちょっとだけめんどくさいことを、そして嬉しいことを巻き起こす事なんて知らないまま。


