「………………んっ」
急に意識が浮上してきた。
ぼんやりと頭が働く。
ごろんと体を横に向けると、さらりとした感覚が肌から直に伝わって来た。
……………あれ?
手を動かしてみるとやけにすべらかなシーツ。
私のベッド、こんなツルツルしたシーツだったっけ。
小さな疑問が生じ、ゆっくりと目を開けた。
…………………?
私の部屋の天井、こんなのだったっけ。
ここ、どこ?
さーっと頭から血液がおりていく感覚があり、慌てて体を起こした。
するとぐらりと揺れる頭。
「いっ」
思わず頭を抱えてしまった。
ズキズキと頭が痛み、バクバクと心臓が鳴っている。
待って、ここどこ。
なんでこんなに頭が痛いの。
突然のことに血の気が引いていくのが分かった。
どうしよう、と状況を何も把握できていないまま無駄に痛む頭を押さえていると…。
がたり、と小さくだけど音がした。
………な、何?
どうしようもない不安に襲われる。
でもその時……。
「美海、起きたか?」
酷く、懐かしい声が聞こえた。
……え?この声って…。
ゆっくりと顔をあげる。
「__________一斗……"くん"?」
視線をあげた先には、なんと上半身裸の一斗がいた。
…………え。
予想もしなかった人物に思わず唖然とする。
一斗は一度目を見開くものの、微かにだけ笑った。
「お前、昨日の事覚えてるか?」
…………昨日?
昨日……。
………何したっけ。
私、昨日一斗に会ったっけ。
………あ、そう言えば夏穂と合コン行ったような行ってないような……。
なぜか昨日の記憶が全て曖昧だ。
考えようとするけれども、頭が痛んでそれどころではない。
そもそも何で一斗と私……ホテルなんかにいるの?
ここは、どう見たってホテルだ。
「わ、かんない……」
お姉ちゃんの顔が頭に浮かんできて、さらに頭痛がひどくなった。
はぁー、とため息をついて首にかけていたタオルで頭をワシャワシャと拭いた一斗。
何で上半身裸なの、とか何でここにいるの、とか疑問は多く浮かびすぎて、どれから処理していけばいいか全くわからなかった。
ただただ疑問が膨らんでいくだけ。
そしてふと自分の体に視線を落とすと………ただ下着のみを身に着けていた。
「…………え」
慌ててシーツを手繰り寄せる。
もう頭がこんがらがって何が何だか分からなくなった。


