なんて考えながら、何気なく噂の彼を見つめていると…。
――!
目、合っちゃったよ。
視線を送りすぎていたからか、ふいに一条荘もこっちを見やった。
表情を変えられる前にすぐに目をそらしたけど…。
ほぼ喋ったことないのに、見つめてたなんて知れたら、絶対勘違いされるに違いない。
ないないない。眼中にない!
って、別にいちいちそんなこと考えるほど、女の子に困ってないか…。
「心陽ー?」
「え?」
「1限、移動教室」
「あ、そうだったね…」
結舞ちゃんに時計を指さされて、私は一条荘を一切振り向かずに、1限目の授業の準備をした。
