一条一家のウラの顔。






「……失礼」




そう言って、女生徒に囲まれる中、丁寧に手を払いながらやって来た3年生の長男。



艶のある黒髪がよく似合う、正統派代表。


人呼んで、インテリ系メガネ王子。




一条都季(イチジョウ トキ)…。





「おはよう。今日も皆可愛いね♪」




次にやって来たのは、少し遊ばせた無造作の栗色の髪を軽く結った、今流行りの“カッコ可愛い”1年生の三男。


制服をオシャレに上手くアレンジし、持ち前のプロポーションを最大限に生かした噂の現役モデル、らしい。



名前は、一条光(イチジョウ アキラ)…。




そして…。




「やべやべ!遅刻じゃねーよな!?」



最後に一歩遅れて登場したのは、私と同じクラスの2年生、次男。


明るく社交的で、いつも輪の中心にいる人気者、一条荘(イチジョウ ソウ)…。