一条一家のウラの顔。





確かに顔はかっこいいと思うし、スタイルも家柄も何もかも申し分ないと思う。



成績だって次男以外は学年トップだって聞いてるし。




だけど、なんだろう。



私にはあの三兄弟、何かが引っかかるんだよね…。




素直にこのファンの方々と賛同できないっていうか。






「なんだろう…」



このモヤモヤは。




「あ、ほら、心陽!あんたがつべこべ言ってる間にお見えになったみたいよ!」



「お見えになったって…。相手は1つ年上か、三男にいたっては年下だよ?そんなに敬う必要はどこに…」



「細かいことはいーのっ!早く心陽も廊下の真ん中空けて!ほらほら!」




私は結舞ちゃんに腕を引っ張られて、渋々廊下の片側に寄った。



前方に敷き詰められていた女子の大群も、何か魔法でもかけられたかのように、綺麗に両側方に分かれていく。




そして次第に、"キャーー"という黄色い声が大きくなっていった。



どうやら、現れたようだ。