「皆はん。出来上がりましたえ」

騒がしかった部屋がシン、と静まり返り、入口に立つ2人を見た。
いや、藍色の着物を着た鈴音を見た、という方が正しいかもしれない

いつもの着物姿ではふんわりと滲みでる美しさだが、今の鈴音は何も隠そうとしない溢れ出す美しさと色気があった。

いつもは何もしていない小さな唇にほんのりと赤い紅がついているのにもつい目を奪われてしまう。

「歳三さ…ん?」

心配そうに覗き込む鈴音に顔が熱くなるのが分かった。
バッと急いで顔を隠す。

「そ、その、あんまりにも綺麗で驚いた…」

鈴音は頬をほんのりと染めて微笑んだ。

今すぐにでも抱きしめて、押し倒したい…

なんてやましい気持ちはあとでのお楽しみとして心の奥にしまっておくことにした。


【土方side 終】