叫んだ。

土方さんは背中から真っ赤な血が滴り落ちているのに今まで見たことないような殺気を出し、時雨に斬りかかった。

一瞬の出来事だった。
ドサリ、と時雨が倒れる音が耳に届いてハッと我に返る。

「へえ、お前んとこの副長、強いな」

「当たり前でしょ」

土方さんは鈴音に向かって走る。
あんなに必死な彼は初めて見た。
…皆、鈴音ちゃんの為に必死だった

「だから、負けられないんだよねぇ」

そう呟き、鈴音ちゃんを抱き締める土方さんを見た。
火影、という赤髪の忍となにか話している。

赤い髪が揺れ、そいつは金色の瞳で夜斗を見た。

「撤退命令をだせ」

その言葉に夜斗は反論するが、すぐに撤退命令をだし、倒れている時雨を抱えた。

「次会った時は真剣勝負だ」

そう言って笑った

「いいよ。覚悟しときなよ」

お前もな、と言って夜斗達は闇の中に去っていった。