ひとつ嵐が去り、私の中に不安な気持ちがグルグルと渦巻いていた

「鈴音…」

「土方…さ、ん…」

ふわっと土方さんの香りがしたと思うと私は土方さんの腕の中にいた

「大丈夫だ。鈴音。お前は俺達新撰組が守る。絶対守ってみせるから…」

「あ…」

暖かい…土方さんの優しさが私の涙腺を緩ませる

ーーーポツ、ポツ、と肩に冷たい雫が落ちた

「雨か…」

そう呟きながらも土方さんは私を抱きしめたままだった

土方さんのおかげで、いよいよ本降りになってきた雨と一緒に涙を流しきることができた

「鈴音…」

「っ…///」

「帰ろう。」

「…はいっ」


雨の中、私と土方さんは手を繋いで帰る。

どちらからというわけでもなく、ただ、自然に

ぎゅっと握られた手は、とてもあたたかい男の人の大きな手ーーー