「な、なんで、」「あー、さっきの人達?いっちゃんとこ行くって言ったらどっか行っちゃった。どうしてだろ?」
ズキン、と胸が傷んだような気がした。
きっと、皆はあたしとかかわりたくないんだ。
あたしが自分の家の事をずっと考えてて
、皆の事をいつも蔑ろにしていたから、一緒にいるのが嫌になったんだろう。
「……はぁ。」
「いっちゃん、どうしたの?」
ついいつもの癖でため息を吐くと、うさぎくんは心配したような顔で見つめてきた。
その顔があたしのすぐ近くにあって少しおどかされたが、出会ったばっかなのに、と思い迷惑をかけないように言い訳を
考えた。
「い、いやぁ、うざぎくんの名前、あたし知らないな、と思って」

