お母さんは意味ありげににやけて、ふーん、と言った。 ……ふーん、とはなによふーん、とは! 心の中であっかんべをして、お母さんの手を引いた。 「今日はちょっと高い店でご飯食べよう!せっかくお母さんと一緒だから」 「いつきーー!!」 「きゃ、急に抱きつかないでよ、もう!」 その日は少し高いご飯を食べて、たくさんお母さんと話した。 まるで、夢みたいに幸せだった。