「あーんあーんあーん、とってもだいすきー、どーらえーもんー♬」
「ほら、歌うたってないで。うさ…橘、今日のおべんと。」
「うわぁ、ありがとー!」
ーーーあの日から一つ変わったこと。
それは、あたしたちは昼休み、一緒に屋上でおべんとうを食べることになった。
うさ…橘のリクエストだ。
あと、あたしがうさぎくん、と言うのはもうこの年だし恥ずかしい、と抗議したところ、風兎、と呼ぶことを要求されたため、強引に風兎、と呼ぶことになったのだが、やっぱり恥ずかしいので、橘、と、あたしは呼ぶことにした。
「むぅ。だから、風兎って呼んでってゆってるじゃん!」
本人は納得してないけれど。
「どこかの恋人じゃあるまいし…。」
「じゃあ、恋人になれば呼んでくれるの!?」
「そもそも成らないから呼ばない。」
「いっちゃんつめたーい。あ、このハンバーグ美味しい。俺好み。」