10分たった私はと言うと…

まさかの迷子になってしまった

どこの道まちがえたんだろう…

暗くてよく見えないし…



「愛菜?」

聞き覚えのある懐かしい声に名前を呼ばれ、振り返る


「祐介…」

目の前にいるのは、寂しそうな目を私にむける祐介だった

「どっかいってたのか?」

久しぶりの会話に、少し緊張する

「一真んち行ってたんだ」

そう言うと、すごく悔しそうな顔を空に向けている

「でもさ‼︎迷子になっちゃって」

この暗い雰囲気を変えようと、話題をかえる

「送ってってやるよ」

そういい、右手にもっていたカバンを取り上げ、歩きだした

変わってないなぁ、
そう思った

「何してんの?早く行くぞ」

ぼんやりしていると、あの時みたいに先に進んで行っちゃうんじゃないかって、怖かった

だから、早歩きで、絶対はぐれないように歩いた