暴走族に恋した私


「その怪我で帰ったら、親心配するだろ?」



「あっ、うん。」





多分、全部説明しなくちゃならなくなる。


だって、肩を刺されてるからね。



だからって、迷惑をかけるのは良くないけどね。





「仁、たくさんありがとう。」




「ん。」





仁は短い返事をして、クシャと私の頭を撫でた。



家の中に入ると、色んな人が出迎えに来た。



ごっつい人や傷が入った人とか…




なんか見た目がやばい人ばかり。





「坊ちゃん、彼女っすか?」




つるっぱげのお兄さんが、横目で私を見ながら仁に聞く。



いや、彼女じゃないけどね。





「予定。」





仁は、それだけ言ってまた歩き出す。



よ、予定?



なんか気恥ずかしくなって、顔がどんどん熱を籠る。



でも、仁の彼女になったらきっと幸せになるだろうな。