「由奈、どこにいんだよ。」 雄也さんの私を呼ぶ声がする。 私は、震える自分の肩を抑えた。 返事をしたら、きっとこっちに来る。 「おい、由奈。」 悠也さん荒ぎ声で、私を呼ぶ。 怖い、怖い、怖い、その二文字が頭の中をぐるぐると回る。 ドンッ 雄也さんが、物を蹴る音がした。 それも、何度も、何度も、何かを蹴る音がする。 怒ってるんだ、雄也さん。 私は、震えが止まらなくなって、その場にしゃがみこんだ。 お願いだから、ここに来ないで。