暴走族に恋した私




仁を見ると、仁のお腹の服がジワリと赤く染まっている。



もしかして…酷いけがじゃ。


無理してこないでよ…心配だよ。






「へー…面白いな、俺行くわ。」






龍と呼ばれている怖い人が、階段を降りようとする。



ダメだ、あのまま喧嘩したら。





「やめて。」






男の人の前に両手を伸ばして、道を塞ぐ。


足ががくがくと震えて、何されるか分からなくて怖い。






「邪魔だよ。」



「行かせない。」



「邪魔っつてんだよ!」





男の人は私のお腹に拳を入れた。


私はその場に倒れ込む。


お腹に痣ができた気がする…殴られるのって、痛い。