暴走族に恋した私




「急いで。」



「うん。」






私は顔を下に向けて、急いで龍王のたまり場に向かう。



ドクドク




高鳴る心臓は不安がるようにドクドクからバクバクと音を変えていく。


物凄く、怖い。



今さらだけど、皆の居るこの世界は卑怯や恐怖で満ちている。



けれど、真っ直ぐなものだってある。




だから私はこの世界に入ろうと思った、みんなが好きだから。





「アイツ。」





すれ違った男の人が小さな声を漏らした。


すれ違った男の人は進行方向をこっちに変え、ゆっくりこちらに来た。





「やばい、バレた…走って逃げるよ!」





巴が言葉を漏らすと私たちは走りだすと、それと同じように男の人たちも走りだした。


巴に着いて行くように、急いで走る。