「いいから、言えよ。」 「アンタが助けてって、言ったんだろ。」 ―――えっ、私言ったけ? 今までのことを、思い出す。 え・・・っと。 ・・・・・あっ、確かに言った。 意識がなくなる前に、助けてって言った。 「思い出しただろ、ほら言ってみろよ。」 男の人の言葉には、不思議と説得力がある。 守ってくれるっていう、安心感がある。 もう、言っていいよね。 「彼氏に暴力を振られてるんですっ、でも逃げれなくて。」 男の人の表情は、変わった。 すると、私の頭に手をポンっと置いた。