「何よ、本当は私はあんな奴ら嫌いなんだから。」
「あんな性格悪い人たちなんて、嫌いだもん。仁も大嫌いっ!!」
私の中の何かが、音をたてて壊れる。
白石ちゃんの頬に、そっと手を添えた。
「歯、くいしばって。」
そういうと、自分の手を振り上げて、思い切り頬にぶつけた。
白石ちゃんは、口を開けて呆然となっていた。
そんな白石ちゃんに、怒り口調で話しかけた。
「そんなこと言わないで。」
「皆は、優しいよ・・・ものすごく。」
叩いた手が震えている、慣れないことをしたせいだ。
けど、大切な人の事を悪く言われているのを黙って見過ごしたりなんかしない。
私は震える手を握って、しっかりという。
「だから、悪口を言わないで・・・。」
涙がポロッと目から零れた。
感情が高まったのか、初めてのことで怖いのか、そんなわかんない。
けど、今はどうでもいいことだ。

