一年間の集大成のテストがおわり数日、
春休みに向けて少しだけ
浮き足だった様子の放課後、
職員室から顔面蒼白な見目愛らしい
女の子が一人。



からからと職員室の扉を
閉めるや否やわなわなと
震え、下を向く。



まばらに近くを通る人が心配そうに
チラチラとその子をみるも、
1つも目に入ってはいないようだ。


150センチの小さな体は
よりいっそう儚くみえる。



しかもこの子....
満月 奏来(みつき そら)は
学校1可愛く、学校1明るく、
絶大な人気があり、
とにかく目立ち、
いつでも笑顔が似合う、
少々やんちゃたが....
それすら愛しく感じさせる子だった。

そんな子が、
肩を震わせ下を向いているのだ。




(あぁ、もしかして
泣いているのではないか。)



その場に居る誰もが思った瞬間、


物凄い勢いで顔をあげ、




「やぁばぁぁい!
やばいやばいやばいやばい!
やばぁぁぁい!!!」

と地団駄を踏んだ.....。






(えぇ.........!!!!!!)
(泣いてないのかよ!)