「いってきます!」 いってらっしゃい〜、と気の抜けたようなお母さんの声を聞きながら、私は玄関のドアを閉める。 歩いての登校は面倒くさくもあるけど嫌いじゃなかった。 今日のお弁当なにかなあ、なんて考えながら空を見上げて歩くのが好きだし、そんな何もない時間に安心するからだ。