【短編】さよならなんて言えなくて



肌を重ね合ってるとき、普段なら頼まれたって言わないようなこと、いっぱい言ってくれた。


「好きだよ」

「ずっと一緒にいよう」

「‥‥愛してる」


何度も何度も言ってくれた甘い愛の言葉。


そのたびに私の心は暖かくなっていった。

まるで、貴方という人に包まれているみたいに‥。

痛がって泣きそうな私にたくさんのキスをくれた。

そんな痛みなんかより、悠真の優しさの方がずっと大きかったから‥。


悠真の腕の中は、暖かくて逞しくて、すごく安心した。

この人とずっと一緒にいたい、って心からそう思った。