「どうしようか」

集まったリビングで沈黙を破ったのは瞬だ。

私とみずきは隣に座り、まだ手を握っていた。

「なんか工具持ってきて、ドアをぶち破るしかねんじゃねー?」と物騒なことを言う千。

さっきと違って、声はもう震えていない。

「え~。僕そんな力ないよ~」と佑樹。

「…嘘つけ。佑樹が一番力あるじゃん。」
その響の一言により佑樹が固まった。

可愛い見た目の佑樹は力が強いことがコンプレックスなのだ。

幼馴染みの間ではタブーの話題だったのに、響が言ってしまった。

固まった佑樹を放置して会話は続いた。