亮太に通された部屋は、これまた広い居間だった。
部屋の真ん中に置かれた木製のテーブルがとても洒落ていて、気品溢れる雰囲気を漂わせていた。
生活感が出ているわけではないが、とても居心地の良い空間だった。
「今、飲み物を持ってくる。なにか飲みたいものあるか?」
「あ、俺コーラ」
「じゃ、あたしはお茶で」
亮太が飲み物をとりに出て行く。
すると、桃之助があたしに耳打ちしてきた。
「な、ちょっと探険しね?」
「ええ?なに言ってんの。勝手にウロチョロしたらまずいっしょ」
「大丈夫だって!亮太だもん」
なにが大丈夫なんだ。理由になってないだろそれ。
『ミャー』
遊んでくれると思ったのか、ミーナは部屋の外へと駆けて行ってしまった。
「あっ、ミーナ!」
「ほら、ミーナも遊びてぇって言ってるし!行くぞ!待てっミーナ〜!」
「あ、こら!桃之助!」
飛び出す桃之助を追いかけて、あたしも部屋を出る。

