「両親と3人で住んでたんだけど、今は2人とも海外にいるから。さすがに俺1人じゃ広いんだ」
そう言いながら、亮太は玄関の引き戸を開ける。
『ミャー』
「お!お前、元気だったか〜?」
玄関に入ると、あのときの子猫が出迎えてくれた。
「大きくなったな〜!美味いモン食わせてもらってんだろ」
あのときの子猫、とは言ったが、その姿は見違えるほどに成長していた。
たった一ヶ月でここまで大きくなるのか。
キレイな首輪がしてあり、そこにはネームプレートが付いていた。
「ミーナ…ミーナって名前にしたの?」
「あ、ああ。そう。ミーナ」
「へぇ〜、可愛い名前付けたね亮太。これならみずも、変わらずミーちゃんって呼べるな。良かった」
「そうか。まぁ、あがってくれ」

