「やぁ、よく来たね。君たちがバイトの面接を受けにきた子たちだね」
あたしと桃之助がくだらない言い合いをしていると、カウンターの奥から若い男の人が出てきた。
歳は20代後半かな?
栗色の髪が、緩やかにウェーブしていて、全体的に柔らかい雰囲気がでている。
「僕は真波 和人。ここのオーナーだよ」
「西条 桃之助です」
「松岡 優葵です」
「よろしくね。じゃあ早速面接を始めようか。奥へどうぞ」
「「失礼します」」
あたしたちは、カウンター脇のドアを通された。
廊下の突き当たりにまたドアがあり、中へ入ると事務室になっていた。
と、いっても、棚や机など、木製でオシャレなデザインになっていて、あまり事務室という感じではなかったが。
しっかり整理されていて、とても綺麗だった。

