「お前な?もう入学式、終わっちゃってるから。な?どっこもセーフじゃねぇから。わかる?」
「あ〜ッ!皆勤賞狙ってたのにぃ〜〜〜ッ!」
「人の話を聞けコラ。皆勤賞狙ってるヤツはこんな初っ端から遅刻したりしねんだよ。ったく、お前んトコは兄妹揃ってめんどくせ〜な。オラ、早く席つけ」
もうすぐ三十路の担任、野崎 哲司(通称 てっちゃん)は、あたしの兄ちゃんの元担任だったため、あたしのことも知っているのだ。
(兄ちゃんも問題児だったらしい)
渋々自分の席を探し座ると、後ろから小突かれた。
クルッと後ろを向くと、
「優ちゃん、バカじゃ〜ん」
と、森野 咲樹がニヤニヤしていた。

