ビクゥッ!!!!
またも2人して肩をビクつかせて後ろを見ると、男の子が立っていた。
「っ………だ、誰だ?
みず、知ってる?」
「知らな〜い」
「同じクラスの、西条 ……だ」
「「え?」」
最後のほうはゴニョゴニョ言ってて聞こえない。
「だから、西条………だって……」
西条は恥ずかしそうに顔を赤くする。
「え何?ごめん聞こえない…」
「だからぁ!西条 桃之助!
何回も言わせんなよ!恥ずかしいんだから!」
「桃……桃之助?」
その見た目で?
西条は、お世辞にも一般生徒とは言えない見た目だった。
どちらかというと……不良?
髪は染めてないものの、短めの髪をワックスでたたせ、額が見えるようにしてあった。
耳には黒い丸ピアス。
ワイシャツはズボンから出され、黒い学生ズボンは腰で履かれていた。
極めつけはズボンについているチェーンだ。
「桃之助じゃないよな」
「うっせぇ松岡!」
「あれ?あたしの名前知ってんの?」
「初日から遅刻してくるヤツなんてそうそういねーだろ」
こいつ不良みたいな見た目だけど、あたしと違ってちゃんと登校してたんだ。
意外と真面目な桃之助クン。
「だからうっせえ!」
「え?あたし喋ってな…」
「お前が考えてることは顔見りゃわかるわ!全部顔に出てるわ!」