「開けるよ」
「うん…」
キィ……
準備室に入ると、また鳴き声が聞こえた。
『ミー、ミー』
「あの段ボールの中から聞こえる」
「よし、優ちゃん見てきて。ウチは外で待ってる」
「させるかっつの」
みずの腕をホールドしたまま、段ボールに近づく。
中を覗くと……
「きゃぁぁぁあ!可愛い〜!子猫ちゃんじゃーん!」
そこには可愛らしい子猫が、不思議そうにあたしたちを見上げていた。
「うにゃ〜、かわいいな、なんだお前〜」
喉を撫でると、ゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「あ、ちゃんとお皿がある。ここで育てられてるんだね」
「誰がこんなとこで育ててんだ?」
「俺だよ」

