『ミー』



「ん?なんか今聞こえなかった?」


「え?なにが?」



「いや、なんか…鳴き声?みたいな?」



『ミー、ミー』



「ほらっ!」



「本当だ!どこからだ?」




突然聞こえてきた、か弱い鳴き声は、隣の音楽準備室から聞こえた。


「え…なんかいるってことだよね?」


「うん……なんかいるね」




2人で目を合わせる。



こんな旧校舎に?
なにかいる?



「ちょ、ちょっとトイレ〜」


「ダメだ。逃がさん」



逃げようとするみずの腕をガッチリ掴んで、あたしは準備室にゆっくりと近づいた。



ドアノブに手をかける。