「うわ〜、気持ち悪〜」
音楽室には恒例の、音楽家たちの肖像画が、揃いも揃ってあたしを見ている気がする。
「んな見つめんなって。照れんだろ、はは……」
若干逃げ腰になったのは秘密。
「どこか隠れられる場所は〜」
部屋を見渡すと、隅の方に縦長のロッカーが置いてあった。
「おっ、ラッキー!あそこに隠れよ〜」
誰もこんなところに隠れているとは思うまい。
しめしめ、豪華景品はあたしのもんだ。
腹黒い笑顔で、ロッカーの扉に手をかける。
その時。
ガッシャーンッ!
いきなり扉全開!
「ぎゃぁぁぁぁぁあッ!!」
ビックリしてあたしは後ろにすっ飛んで転んだ。
ロッカーの中から出てきた人物は…

