頭上から降ってきた声に、3人で肩をビクッとさせる。




「て、てっちゃん………」





両手を腰にあて、仁王立ちするてっちゃんは、"鬼"と書かれたゼッケンをかけていた。




「お前ら、元陸上部を甘く見るんじゃねぇぞ?俺、容赦しねぇかんな?


お前らには、豪華景品は渡さん!」





仮にも自分のクラスの生徒なのに、目がガチだ。目が。





「こんな大人、イヤだ」


みずが、苦い顔をする。




うん、あたしもイヤだ。
なら、することはひとつだ。






「逃げろぉぉおーーーーッ!!!!」


「あっ!待ちやがれ!」